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43話 見たこともない素材の正体とは?

Author: みみっく
last update Last Updated: 2025-07-19 07:00:52

 さらに別の職人が、二人の間に割り込みながら、怒り混じりの声をあげた。

「何を言っとる! 勝手に話を進めるでないわ!」

 その瞬間、裏庭では素材を巡る熱烈な取り合いが始まった。職人たちは互いに素材の価値を主張しながら、譲れない思いをぶつけ合い、激しい声が飛び交う。まるで子供のように言い争い、時には互いを押し合うような場面も見られた。裏庭の空気は、彼らの熱気でむせ返るようだった。

 一方で、そんな混乱の中心にいるレティアは、バッグから素材を次々と出しながら、無邪気な顔で首を傾げていた。彼女は職人たちの争いを特に気にする様子もなく、ただ淡々と、まるで大量のゴミでも捨てるかのように素材を出し続けている。

「ふぅーん……なんだか、みんなすごいねぇ。」

 レティアのその無邪気な言葉に、争いの最中の職人たちも一瞬その勢いを緩めるが、すぐに再び声を張り上げて競い合いを続ける。彼らにとって、この希少な素材は、何よりも価値のあるものだったのだ。

 その光景を少し離れた場所から見守るルーシーとフィオは、呆れ混じりの苦笑を浮かべた。

「ほんと、この子は厄介の種を撒くのが得意ね。」

 ルーシーがそう呟くと、フィオも微笑みながら頷く。

「でも、これがレティーちゃんだよね……。わたし、すきだなぁ……」

 フィオの眼差しは、温かい愛情に満ちていた。

「あぁ……うん。無邪気というか……分かるわ。」

 ルーシーも、レティアの規格外な行動に呆れつつも、どこか魅力を感じているようだった。

 二人で裏庭の長椅子に座り、ボーっと笑顔でレティアを見つめていた。彼女の存在は、常に周囲に波乱を巻き起こす。しかし、それが彼女の魅力でもあった。

 裏庭の素材争いはますます激しくなり、ギルドの職員たちは職人たちをなだめようと奔走する。その場には、冒険者たちが普段見ることのないほどの迫力と混乱が広がっていた。

♢最後のサプライズ、禍々しい爬虫類

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     管理職の職員は急いで深く頭を下げ、震える声で言った。彼の声はかすれており、恐怖がにじみ出ていた。「ど、どうかご安心ください、レティア様。ギルドは誠実に対応させていただきますので、どうかご心配なさらずに……!」 その言葉にレティアは、再び満面の笑みを浮かべた。その笑顔は、場の張り詰めた空気を優しく溶かすかのようだった。「ん? わたし、心配なんてしてないよぉ……? みんな優しいし、大丈夫だと思ってるよっ♪」 彼女の純粋な言葉に、場にいる全員は再び安堵の息を漏らしながらも、慎重な態度を崩さないよう努めていた。レティアの無邪気な微笑みは、場の緊張を和らげるだけでなく、彼女を守りたいという思いを自然と引き起こしていた。 その場にいたルーシーとフィオはもちろんのこと、ギルドの管理職の職員もまた、レティアの魅力に引き込まれていた。彼女の可愛らしい笑顔と純粋な言葉は、彼の心に深く響き、彼女の安全を守ることが最優先だと強く感じさせた。『この少女を守るためなら、どんな困難も乗り越えられるだろう。』 管理職の職員は心の中でそう決意しながら、慎重に次の対応を考え始めた。彼女の存在がもたらす影響は、ただの冒険者としての枠を超え、周囲の人々に特別な感情を抱かせる力を持っていた。 その場の空気は、レティアの笑顔によって少しずつ穏やかさを取り戻し、彼女を中心に新たな絆が生まれつつあった。♢不穏な影とレティアの無邪気な返答 ギルドの裏庭でのドラゴン素材取引を終えた翌日、ギルドの周辺では不審な動きが観察され始めた。町の通りではギルドの倉庫付近を監視する怪しい人物たちの姿がちらほら見受けられるようになり、職員たちは緊張を募らせていた。彼らの目つきは鋭く、警戒を怠らない様子だった。 管理職の一人がレティアたちの元を訪れ、慎重な口調で言った。彼の声には、僅かながら不安が滲み出ていた。「レティア様、どうやらドラゴン素材の存在を嗅ぎつけた者たちがギルド周辺で活動しているようです。万が一のことがあれば、どうかこちらに避難してください。」

  • レティアの虹色の冒険   45話 魔物じゃない討伐

     レティアは職人たちの言葉を聞き、目を輝かせながら手を叩いた。「あぁ〜! そっかぁ。ドラゴンって鱗が有名だって、じぃーじが言ってたぁ!」 その言葉に職人たちの目がさらに輝き、彼らの期待が高まる。しかし、レティアは少し申し訳なさそうな表情を浮かべて呟いた。「あるけど……ここで出すと、建物が……壊れちゃうと思うよぅ?」 ——さらにその言葉に、管理職の職員は目を見開き、急に慌てた様子になった。確かに、腕や頭の大きさを見る限り、胴体をここで取り出せば建物が破壊されるのは容易に想像できる。しかし、一方でドラゴンの胴体を素材として公開すれば、ギルドの大きな利益にもなる。職員は迷いながらも、考えを巡らせた。♢ドラゴン素材の非公開決定 ギルドの裏庭でのドラゴンの素材公開を目の当たりにし、ギルドの管理職は深く考え込んでいた。素材そのものの価値は計り知れず、それを販売することによる収益はギルドにとっても莫大な利益をもたらすことは間違いない。しかし、ドラゴンという伝説的な存在の素材の出どころに関して、不必要な注目を集めるべきではないと彼らは判断していた。 特に、この素材の所有者であり、討伐の実績を持つレティア自身の安全を第一に考えた場合、その情報を公にすることは大きなリスクを伴う。もしこの情報が外部に漏れれば、彼女に対する不当な詮索や危険な依頼が舞い込む可能性がある。さらには、ギルドそのものにもドラゴン素材を狙った不正や襲撃の危険性が生じる可能性があった。「この素材に関する情報は、ギルドの内部で極秘に扱うべきだ。レティア様の安全が第一優先です。」 ギルドの管理職はそう結論を下し、素材を公開せず、裏庭での取引を非公開で進めることを決定した。 素材そのものは職人たちの手によって丁寧に運び出され、ギルドの倉庫へと移された。ドラゴンの鱗や爪、角などの希少な部位が次々と運び込まれ、その価値を評価するための専門家が招集された。ギルドは、この素材を特定の顧客に販売することで、収益を最大化する計画を進めていた。 レティアは、ギルド職員

  • レティアの虹色の冒険   44話 伝説級の素材の保管

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  • レティアの虹色の冒険   42話 素材を売ろう!

    ♢素材の山、ギルド職員と職人の驚愕「それとね……」 そう言って、レティアは次に『ドンッ』と魔物の巨人の腕を地面に落とした。その腕は、人の背丈ほどもあり、鍛え抜かれた筋肉が隆々と盛り上がっている。先端には、ごつごつとした鋭い爪が不気味に光っていた。地面に叩きつけられた巨腕から、鈍い衝撃が伝わってくる。「これ……いる? 襲われたんだけど、びっくりしちゃって……ファイアショットを放っちゃったら、腕だけ残ってたの。」 ギルド職員は、信じられないものを見るような顔で、その巨大な腕に視線を送った。彼の目は見開かれ、口元は微かに開いたままだ。「巨人族の希少な爪は高値で買い取りをしていますが……腕ごととは……。スゴイものを見させていただきました。」 職員の言葉には、驚きと畏敬の念が混じり合っていた。彼の視線は、腕の細部にまで吸い寄せられるかのように注がれている。レティアの手は止まることなく、次々とバッグから魔物の素材を取り出していく。ゴロゴロ、ドサドサと、裏庭の広いスペースは瞬く間に様々な魔物の素材で埋め尽くされていった。巨大な牙、鈍く光る鱗、奇妙な形をした角、そして禍々しい魔石。それらが無造作に積み上げられ、裏庭はまるで、異世界の宝物がひしめく市場のような光景へと変貌していった。 ギルド職員たちと提携している職人たちは、総出で運び出し作業に追われている。汗を流しながら重い素材を運び、会計担当の職員たちは数人がかりで、目を見張るような価格を一つ一つ記録していく。積み上げられた素材の山が、裏庭を埋め尽くすたびに、驚きと興奮の声があちらこちらで上がった。 その場から少し距離を取った場所で、ルーシーとフィオは静かに、そして呆れたようにその光景を見つめていた。「やっぱり普通じゃないわよね……あの子。」 ルーシーが、深いため息とともにぽつりと呟く。その表情には、諦めと感嘆が入り混じっていた。 フィオは、ふわりと微笑んで頷いた。「ええ

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